スクリーンリーダーを使った初めてのReaper・その5 録音の準備

今回は、ASIOや、Reaperのオーディオ入出力の設定と、録音するためのインプットレベルの設定を行います。

今回からは、オーディオインターフェイスを使った録音です。 トラックの作り方や、録音方法は、オーディオインターフェイスを使わない時と同じなので、以前に書いた分も読んでください。

USBオーディオインターフェイスはZOOMのG2.1nuをバイパス状態で使って説明します。 この機器は、USBでパソコンに繋げる、ギター用のマルチエフェクタですが、エフェクタをバイパスして、オーディオインターフェイスとして使用できます。

これを読むひとも、何かオーディオインターフェイスを持っていて、ASIOドライバもインストールしてあるものとして説明します

入出力とASIOの設定

ドライバソフトのインストールなどを済ませたら、まずは、オーディオインターフェイスをパソコンに繋いだ状態でReaperを立ち上げます。 オーディオインターフェイスのインプットにはマイクなり、楽器なりを繋ぎ、アウトプットにモニタースピーカーを繋ぐか、ヘッドホン端子にヘッドホンを繋ぐなりして、音を聞けるようにします。

Reaperで新規トラックを作り、F7でそのトラックを録音待機状態にします。

アプリケーションキーを押して、「入力をモニタリング」という項目でエンターを押し、この項目にチェックを付けます。

この状態で、楽器を演奏すると、モニタから音が聞こえるでしょうか?聞こえないでしょうか? チェックの有無に関係なく聞こえる音は、ダイレクトモニターの音です。ダイレクトモニターはひとまずオフにしてください。

オーディオインターフェイスのダイレクトモニタをオンにしても、楽器の音が聞こえないなら、インプットレベルのつまみが最小になっているとか、接続が間違っているとか、何かReaperとは関係のないところに問題があるので、それを解決してください。

オーディオインターフェイスのダイレクトモニタをオフにすると、音は聞こえないか、遅れて聞こえるかだと思います。

次に、Ctrl+Pを押して、Reaperの設定を開きます。 ここは、ツリービューで設定するグループを選び Tabキーで各項目に移動して設定を行います。

デバイスを選んでからTabキーを数回押して、 キャンセルボタンの次にある「オーディオシステム」で、ASIOを選びます。 この項目名はTabで移動したときには正しく読み上げず、 Sift+Tabで戻ったときには、「オーディオシステム」と読み上げます。

録音する時は必ずASIOを選びます。 オーディオスレッド優先度は、自分の場合は、「ASIO デフォルト」よりも遅延を短くできたので、「通常より高い」を選んでいます。 これはケースバイケースで、どれでないとダメという事ではありません。

そこからTabを3回押したコンボボックスで、使っているオーディオインターフェイスを選びます。 自分の場合は、「ZOOM G Series ASIO」です。

その後にあるチェックボックスと、いくつかの選択ボックスは、たぶんいじる必要は無いと思います。 「入力チャンネルとして以下を使用」にチェックが付いていて、 入出力もそれらしい物が選ばれていると思います。 自分の場合では、「ZOOM G Series Audio In 01」とか、「ZOOM G Series Audio Out 01」などです。

その次にある「サンプリングレートを指定」にチェックを付けると、自分の環境では、Reaperが落ちます。 オーディオインターフェイスを取り外してからReaperを立ち上げて、チェックを外せば、また使えるようになります。

その他、よく分からない項目は触らないのが吉でしょう。 一通り設定したら、OKでエンターを押して、設定を閉じます。

この状態で、楽器を弾くと、モニタから音が少し遅れて聞こえるでしょうか? 音の遅れを減らすための方法は、オーディオインターフェイスの機種によって違うと思います。 自分の場合は、オーディオインターフェイスのドライバをインストールした時点で、コントロールパネルに 「ZOOM G Series Audio」 という項目が追加されて そこから、簡単に設定が行えるようになりました。 オーディオインターフェイスの設定方法は、それぞれ違うので、マニュアルなどで確認してください。

ぎりぎりまで遅延を少なくし過ぎると、トラックを沢山作ったり、VSTを沢山使ったりすると、録音の時だけ動作が不安定になったりするかも知れません。 どこまで遅延を減らせるかは、パソコンの性能によって違います。 使いながら、演奏に支障のない程度の遅延で、Reaperの動作も安定する設定を探してください。

インプットレベルの調節

次に、録音する音が大きすぎたり、小さすぎたりしないように、インプットレベルの調節をしましょう。 オーディオインターフェイスには、インプットレベルを表示するメーターとか、課題入力が入った時に、赤いランプがつくとか、何かしらの機能があるでしょう。 それを使わなくても、Reaperにはピークウォッチャーという機能があります。

まず、録音待機状態のトラックを作ってください。 VSTエフェクトは、まだ刺さないでください。 もうすでに、何か刺してある場合はbキーを押してVSTエフェクトをバイパス状態にしてください。 bキーを押すたびにVSTのバイパスのオンとオフが切り替わります。 もしも変更していたら、Alt+上下キーで音量をプラスマイナス0の位置に、Alt+左右キーで、左右の定位をセンターにしてください。

今準備した、録音待機状態のトラックを選んでから、Shift+Ctrl+Wを押してください。 ピークウォッチャーの設定画面が現れます。

First trackで、Follow current trackを選びます。 あるいは、トラック番号で、録音するトラックを選んでもいいです。

When level reaches (dB): 0.00 ここの、数字を0.00から-20くらいに書き換えます。 インプットレベルが、この数値を超えると、その値をNVDAがリアルタイムに発生してくれます。

&Hold peaksをuntil resetにしておけば、インプットの最高値を自分でリセットするまでReaperが記憶します。 秒数を指定して、一定時間後に数値をリセットするような設定もできます。

設定したら、OKを押して画面を閉じます。

この状態で、楽器を弾いてみてください。ギターやキーボードなら、低い音で和音を強く、これ以上大きな音で演奏しませんという音量で。

強く弾くと数値を読み上げると思います。 もし何も読み上げられないときは、インプットレベルのつまみなどを調節してみてください。それでも読み上げられないときは、-20に設定した数値を-50とか、小さな値に変えてやってみてください。

弾いた後で、Alt+F9または、Alt+F10を押すと、最大音量の数値を読み上げます。 モノラルの楽器を弾いたときは、F9もF10も同じ数値になるはずです。

Alt+F8を押すと、この数値がクリアされます。

先に書いたように、エフェクトを使わず、トラックの音量を+-0dBに設定しておけば、この数値は、Reaperが録音時に作成するWAVファイルの最大音量と同じになります。

楽器を強く弾きながら、この数値が絶対に0を超えないように、オーディオインターフェイスのインプットレベルを、つまみなりボタンなりを使って調節してください。 だいたい-3dB前後にしておけばいいだろうと思います。 理屈では、0に近いほど高音質で録音出来て良いはずですが、プロのエンジニアでも、ピークを-6dBで録音する人もいるようです。

0を超えると、入力レベルオーバーで、音割れの原因になります。これは避けるべきです。 とりあえずは、絶対に0を超えないように、少し余裕を持って調節しておくといいです。 耳がすごく良い人や、とにかく音質にこだわる人は、いろいろためしてください。自分には、そういう微妙な違いは分かりません。

録音は、前に書いたのとほぼ同じ方法です。 違いは、ヘッドホンからエフェクトのかかった自分の演奏が聴こえること。

それと、ボーカルや生楽器ならマイクが必要だし、エレキギターをラインで録音するなら、アンプシミュレーターが必要ですね。

マイクは、シュアーのSm58(ボーカル用)とか、SM57(楽器用)などが有名ですが、レコーディングよりも、ライブハウスや、練習スタジオなどで使われることの多いマイクです。値段は1万円前後で、丈夫で壊れにくく、あまり癖のない音なのだろうと思います。

安いマイクだと、ベリンガーのxm8500というのがなぜか人気で、自分も1本持っています。値段は3000円以下だと思います。SM58と比べると抜けが悪く、こもった音のようにも感じますが、ベリンガーは、安くて、値段の割には良い製品を多く作っているメーカーです。 シュアーのヘッドセットマイクも持っていて、こちらはとてもからっとしたクリアな音です。 YMOや、CCBや、スポーツ実況で使っていたマイクで、ヘッドセットはレコーディングには不向きと言われますが、マイクと口の距離も一定に保てて、両手が開くのが便利です。

ギターアンプは、ハードウェアのアンプシミュレータを持っていれば、それをオーディオインターフェイスに繋いで使えますし、USBで直接パソコンに繋げるアンプシミュレータもあります。 そういう機材が無くても、アンプシミュレーターのVSTがあります。

実際の録音手順や、エフェクトのかけ方については、次回に書きます。前に書いたのと基本的には同じです。


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