2018/12/26 追記
このページでは、Reaverbをスピーカーキャビネットとして使う方法を説明しています。 ですが、2018年12月に、Ignite AmpsのNadIRというVSTが、SibiacというNVDAのアドオンを使うことで、スクリーンリーダーでも使用できるようになりました。 今後は、こちらを使うことをお勧めします。
NadIRの入手先や、Sibiacの使い方は、それぞれ別のページに書いています。
追記は以上です。
Reaperを使って、自宅でエレキギターを録音するには、防音室でもない限り、普通はギターアンプシミュレーターを使います。
ハードウェアのアンプシミュレーターもいいのですけど、VSTでも、アンプシミュレーターがあります。VSTの最大のメリットは、ギターを録音した後で、音色を変えるのが容易であること。
ギターをオーディオインターフェイスを介して、パソコンに接続します。
スピーカーやヘッドホンから聞こえるのは、VSTのアンプシミュレーターやエフェクトのかかったかっこいい音ですが、実際に録音されるのは、エフェクトのかかっていない、ぺらぺらの音です。
そして、録音した後で、ちょっと歪を減らしたいとか、マーシャルっぽい音で録音したけど、ブギーの音にしたいなんてことが簡単に出来ます。
ギターアンプのVSTは、ちょっと探せば無料のものが沢山見つかります。 どれがいいかは好みの問題ですが、メーカーがデモとして無料で配布している物は、NVDAではユーザー登録が出来なかったり、パラメーターが多すぎて使いにくい物が多いように感じます。
VSTに不慣れでも、無料で使いやすそうなのを幾つかあげると、
SimulAnalog Guitar suiteのマーシャルとフェンダーのアンプと、定番コンパクトエフェクターのセット。
渋い音色の、VoxengoのBoogex
プリセットが豊富で、幅広く使えそうなFA3(エフェクト付きはパラメータが多すぎるので、まずはエフェクト無しがお勧め)
とってもシンプルなJuicy77
などなど。どれもネット検索すれば、説明やダウンロード先が見つかるはずです。
ちなみに、FA3は、右クリックメニューから「Buggy plugin compatibility mode」にチェックを付けないと、1つのプロジェクトで、2つ以上FA3を使うと、パラメータが保存されないとか不具合があるかも。 たまに、そういうVSTがあって、「Buggy plugin compatibility mode」 にチェックを付けると良くなることがあります。
そして、もっといろいろなギターアンプを試したくなって探してみると、 アンプヘッドと、スピーカーキャビネットが別々のVSTになっているものが見つかります。
ところが、スピーカーキャビネットのシミュレーターで使える物がちょっと少ない。 評判の良いキャビネットシミュレーターは、インパルスレスポンスファイル(IRファイル)というものを読み込んで使うのだけれど、このファイルを読み込む操作がNVDAでは出来ない。 少なくとも、自分にはやり方が分からない。
ネットで見つけた、使えるキャビネットシミュレーターは、Mercuriallというサイトに2つと、mda Comboくらい。 あとは、先に書いたアンプシミュレーターの中に、アンプをバイパスして、スピーカーキャビネットだけを使える物がいくつかあります。
アンプヘッドは、
LePou plug-ins
Ignite Amps
Nick Crow Lab
などといったサイトに評判の良いものがあります。
多くのVSTは、YouTubeでデモを聴くことが出来ます。
なぜだか評判の良いアンプシミュレーターは、たいていメタル系なんですけどね。
メタル向きではありませんが、MercuriallのJCM800も良いと思います。
そしてなんと、使えるものが少ないと書いた、スピーカーキャビネットは、灯台下暗しでした。
ReaVerbという、Reaper付属のリバーブのVSTが、キャビネットシミュレーターとしても使えることをつい最近知りました。
日本語の解説は見つからないので、英語のページです。
How to use ReaVerb as a virtual guitar cabinet ? The REAPER Blog
このVSTは、リバーブ用のIRファイルを読み込んで、リバーブとして使うものだけれど、キャビネットシミュレータ用のIRファイルを読み込ませれば、キャビネットシミュレーターとして動作します。
以下に、reaverbをキャビネットシミュレーターとして使う方法を説明します。
まず、エレキギターを録音するトラックを作り、アンプヘッドのVSTと、reaverbを刺します。必要ならば、イコライザなど、その他のVSTも刺してください。インプットモニタの設定なども、もちろん必要です。
次に、Pキーを押し、reaverbの設定をします。
ウエットを適当な値(とりあえず-10dB以下)に、ドライを最小にして、ZLを1にします。
ウエットは2つありますが、一番上の項目の方です。最後に、IRファイルを読み込んだ後で、このウエットの値を使って、アウトプットレベルを調節します。
IRファイルを読み込むには、トラックを選んで、Fキーを押して、reaverbを選び、TabでAddボタンに移動して、ボタンをShift+スペースで押して、「ファイル」を選んでエンター。
後は、Windowsの標準的な操作で、IRファイルを開くことが出来ます。
1度IRファイルを開くと、ブラウズボタンが押せるようになって、このボタンからもIRファイルが開けるようになります。
IRファイルを読み込めば作業は終了ですが、その後でスペースキーををシてプロジェクトを数秒間だけ再生してください。これをやるまでは、インプットに接続したギターの音声が遅延しています。
IRファイルは、ここを参考にしてRed Wire Impulse Responseから、サンプルとして無料で提供されている Marshall 1960AのIRを入手しました。 12インチのスピーカーを4発載せた、マーシャルの定番キャビネットのシミュレーションです。
ダウンロードしたzipファイルには、サンプリング周波数と、マイクの種類と位置を変えたIRファイルが沢山入っています。
例えばシュアーのSM57だけでも、1つのサンプリング周波数で54種類のファイルがあり、ファイル名がマイクの名前と向きと距離を示しています。
自分は今のところ、SM57で、スピーカーの外側を1インチの距離で拾った音をよく使っています。
Marshall1960A-G12Ms-SM57-ConeEdge-1in.wavというファイルです。
IRファイルは、ネットを探せば、無料のものも、有料のものも、いろいろ見つけられます。
IRを使ったリバーブのVSTもいろいろありますが、NVDAでIRファイルをロード出来るものは、なかなか見つからないと思います。 今までノーマークでしたが、本来の使い方であるリバーブとしても、reaverbは貴重な存在のようです。
最初はAddボタンで、2度目以降はBrowseボタンでIRファイルを開くのが良いようです。
例えば、AというIRファイルを読み込んだ状態から、BrowseボタンでBというIRファイルを開いた場合は、AのIRファイルは取り除かれ、Bの音が出力されます。
それに対し、AというIRファイルを読み込んだ状態から、Addボタンで、BというIRファイルを追加した場合は、AとBがミックスされた音が出力されます。
Removeボタンで、どちらか一方のIRファイルを取り除くことが出来ます。ミックスバランスは調節出来ないようです。