スクリーンリーダーを使ったUTAU入門・その1

UTAU(歌声合成ツール)を、スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)で使う方法を説明します。 スクリーンリーダーなんていらないよって人は、他の解説ページを読んだほうが役に立つと思います。

UTAUとは、このホームページで歌を歌ってくれているVOCALOID(ボーカロイド)みたいなあれです。 スクリーンリーダーは、PC-Talkerと、NVDAでためしてみました。どちらでも使えます。

まずは、UTAU - 歌声合成ツールの最新版をここからダウンロードします。

歌声合成ツールUTAU ダウンロードページ

このソフトは、フリーウェアとしても、シェアウェアとしても使えます。

ダウンロードしたZIPファイルを、解凍し、インストーラーの指示に従ってインストールします。

UTAUとは別に、あらかじめ、単音でメロディを鳴らせるMIDIファイルを作っておいてください。 最初は、出来るだけ短いメロディで試してみるのがおすすめです。 MIDIファイルの作成には、サクラやミューズや、MML2MIDのようなMMLコンパイラか、 QWSのようなMIDIシーケンサーを使います。

まだ、MIDIファイルを作れない人のために、お試し用サンプルを こちら に置いておきます。

これで、取りあえず使ってみるための準備は完了です。

次に、UTAUを起動します。

おそらく、初回起動時に「原音レポート」のウインドウが開きます。 そこに書かれている内容は、理解できなくて大丈夫。 これが毎回出てくると邪魔なので、「表示しない」にチェックして、ウインドウを閉じます。

次は、MIDIファイルのインポート

これは、ファイルメニューのインポートから行います。 この時、メロディーが入っているMIDIチャンネルも、正しく選ぶ必要があります。

インポートしたら、ためしに、Ctrl+aを押して、メロディを全選択し、f5を押してみましょう。 歌詞はまだつけていないので、「アアア」でメロディを正しく歌ってくれるはずです。

次は、歌詞をつけます。

Tabを11回くらい押して、エディットボックスを探して、そこに歌詞を書き込みます。  歌詞は、クリップボードから貼り付けてもいいですが、歌詞の途中で改行することは出来ません。

次に、エディットボックスからTabを1回だけ押して、エンターを押します。 これで、メロディーに歌詞が付いたはず。  F5を押して、正しい歌詞とメロディーで歌っていれば大成功。

再生メニューの、「今聞いたのを保存」で、歌声をWAVファイルに書き出せますし、「名前を付けて保存」で保存すれば、メロディーと歌詞の状態を、USTという拡張子のファイルに、データとして保存できます。

・補足事項

低スペックなタブレットPCなどでは、歌声の合成に時間がかかりますし、その間、スクリーンリーダーが黙り込んでしまうこともあります。 最初は、くれぐれも短いメロディーでためしてみてください。

midiファイルは、ピッチベンドやモジュレーションは使わず、ベロシティは気にせず、いわゆるベタ打ちで。 テンポ、音程、ゲートタイム(休符の長さ)だけが重要です。

自分は、MML2MIDでメロディーを打ち込んでいます。その他のコンパイラやシーケンサーでの動作は未確認ですが、こちらでテストした範囲では、標準MIDIファイルのフォーマット0でも1でも正しく動作します。

Quick Windows Sequencer (QWS)では、保存するMIDIのファイル形式によって、うまく行かない場合があるようです。 その場合は、タイプ0、タイプ1など、保存するファイルの種類を変えてためしてみてください。

MML2MIDで作ったMIDIファイルを、UTAUにインポートする時、なぜだかトラックは本来の数字よりも一つ多い数字を選ぶことになります。 トラックを一つしか作っていなくても、インポートの時にはトラック1と2が選べる状態になっていて、トラック2を選ぶのが正解といった具合です。

歌詞に使える文字は、自分でためして(調べて)ください。 すに濁点の「ず」は発音するけれど、つに濁音の「づ」は発音したり、しなかったりなど、この辺は使用する音源によってもばらつきがあるようです。 長音や、小さい「つ」を使う歌詞では、「チューリップ」を「ちゅりぷ」と書いたり、 あるいは「ちゅうりいぷ」と書いて、「い」を極端なスタッカートにしてみるとか、の工夫も必要です。 正直、英語やカタカナ語の多い歌詞は、苦労します。

今回はここまで。


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